No.02 2007/08

オーライ!長崎ニュース(毎月10日発行)

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県北特集

九州の北西部に位置する長崎県。その県北部地域は、西海国立公園に指定された美しい海岸線、海外との交流の歴史、400年の伝統を誇る焼き物、新鮮な食材など、個性豊かな魅力いっぱいの地域です。今回は、そんな県北地域の旬の体験情報などを特集します。

陶芸体験の魅力

最近、団塊の世代をはじめとする幅広い層に人気の陶芸。今回は、400年の歴史を誇る東彼杵郡波佐見町の陶郷・中尾山で、ろくろ・手びねり体験を取材した。

波佐見町の陶郷・中尾山 波佐見町から北に、有田、伊万里、唐津と並ぶ一帯は日本有数の陶磁器産地である。波佐見焼きの歴史は、豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役:1592年〜1598年)時に日本に渡った陶工の手によってはじまった。江戸時代、オランダ東インド会社が日本からヨーロッパへ酒や醤油を輸出するために使った有名な「コンプラ瓶」は、ここ波佐見で生産された焼き物のひとつである。

ろくろ・手びねり体験 ここでは、波佐見町グリーンクラフトツーリズム研究会、波佐見町観光協会、波佐見町が連携し、陶芸などの歴史的資産も活用しながら農業や漁業の枠を超えた17の体験プログラムを「来なっせ体験塾」と名付けて提供し、交流人口の拡大につとめている。

波佐見町のなかでも多くの窯元が操業しいくつもの煙突が建ちならぶ中尾山に、全国でもめずらしい、宿泊施設を備え本格的に土とふれあい作陶ができる工房「中尾山伝習館」はある。

工房「中尾山伝習館」 冨田良介館長によると、「陶芸のおもしろさは土との対話。ろくろの上で回転する土の固まりは、力まかせに扱えばこわれてしまうし、こわごわ扱っても形にならない。体験参加者は、両親へのプレゼントや自分用の食器を作りたいという2〜3人の女性グループが多く、一度体験すると、次は別のものが作りたくなるのかリピーターも多い」とのこと。過去には、自炊のできる宿泊施設を利用し、2か月もの間修行していったつわものもいたそうだ。

伝習館に隣接しピザ焼き体験ができる「四季舎」という建物で、たまたま出会った東京在住のKさん。お話を聞くと、月に1度のペースで伝習館に通いはじめて10か月になるという。なぜ波佐見でと問いかけると「東京で陶芸教室に通うつもりはない。400年の歴史ある街並み、冨田館長、このまちのすべてに惹かれるから」とのお答え。さらには、「土と対話し思い通りの作品ができたとき、子育てなどの人生経験についても、あのときは『ああこうだったんだ』と気がついた。どうしても丸くならなかった器は、今では自然に丸くなる。」というような楽しいお話を聞かせていただいた。

なるほど、陶芸の本当のおもしろさは1日ではわからない。

川内かまぼこをおみやげに

ストローのような「スボ」をむしり取り、そのまま丸かじりすると、風味が良く歯ごたえのある「川内かまぼこ」を求めて平戸市を訪ねた。

平戸大橋を渡り国道383号線を南下すること15分程の漁港。平戸市川内町には、海に面した道路沿いに20軒程のかまぼこ製造販売店がならんでいる。

川内かまぼこ 川内かまぼこは独特の家内工業による手作りで、現在のように、「スボ」で包みセイロで蒸すようになったのは大正初期からだと言われている。今回は、「福海(ふくみ)かまぼこ」さんで製造工程の一部を見せていただいた。

かまぼこ製造販売店 毎日のかまぼこ製造は、午前3時、ご主人の福海勇治(ふくみゆうじ)さんと息子さんが、漁協の魚肉採取機で、エソ、あじなどの新鮮な魚を魚肉と骨・皮に分離するところからはじまる。持ち帰った魚肉は、水にさらすなどの工程を経て1時間ほど練り続け、出来あがったすり身に「スボ」を巻き付け成形し、歯ごたえを出すため2〜3時間座らせたのち、蒸し器で1時間ほど蒸し上げてようやく出来上がる。店頭に並べられたかまぼこは、1本100円程(魚種によって値段が違う)で販売される。

中野漁業協同組合事務所で、今回の取材でお世話になった岡参事さんから、かまぼこ用のすり身を適当な大きさにちぎって、そのまま油であげた「天ぷら」をいただいた。何もつけなくてもとてもおいしい一品だった。

製造工程の一部中野漁業協同組合では、川内かまぼこ製造体験も楽しめるので、平戸へ行った際には、足を伸ばしてみてはいかがだろうか。

県北地域のイベント・観光スポット

イベントカレンダー/8〜9月

平戸南風夜風人まつり「夏の陣」 8月11日 平戸市
九十九島夏祭り 8月13〜14日 佐世保市
精霊流し・万灯籠流し 8月15日 佐世保市
アクアスロンinかわたな大会 8月19日 川棚町
千灯籠祭り 8月23〜24日 江迎町
あじでアワビを釣ろう!あじ釣り大会 8月25日 小値賀町
長崎せちばるロードレース大会 9月2日 佐世保市
クリーンキャンペーンin九十九島 9月9日 佐世保市
鬼木棚田まつり 9月23日 波佐見町

観光スポット

西海パールシーリゾート(さいかいぱーるしいりぞーと) 佐世保市鹿子前町
西海パールシーリゾート(さいかいぱーるしいりぞーと) 佐世保市鹿子前町 遊覧船「パールクイーン」をはじめとする西海国立公園「九十九島」を楽しむ様々なクルージングがここから発着しています。パールシーセンター内には、水族館、船の展示館、アイマックスドーム等の体感施設で遊んだり海辺のログデッキを散策したりとゆっくり過ごせるスポットです。
http://www.pearlsea.jp/
展海峰(てんかいほう) 佐世保市下船越町
目の前に九十九島が180度のパノラマで広がる展望台。佐世保でも一番人気です。展望台下の園地には、春(3月下旬〜4月上旬)は菜の花、秋(9月下旬〜10月初旬)はコスモスが咲き乱れ、花の季節は特に大勢の人で賑わいます。
http://www.sasebo99.com/sight_sasebo/tenboudai.shtml
塩俵の断崖(しおだわらのだんがい) 平戸市生月町
塩俵の断崖 平戸市生月町 南北に500m、高さ約20mにわたり、溶岩台地の上に柱状の玄武岩が重なった柱状節理の奇観。見事な景観は長崎県新観光百選にも選ばれています。
http://www.city.hirado.nagasaki.jp/info/prev.asp?fol_id=4496
田平天主堂(たびらてんしゅどう) 平戸市田平町
田平天主堂 平戸市田平町 大正4年から3年の歳月をかけて、信者達の手によって建設されたロマネスク様式の荘厳な赤レンガづくりの教会で、教会堂棟梁・鉄川与助の代表作です。
http://www.city.hirado.nagasaki.jp/info/prev.asp?fol_id=4497
松浦海のふるさと館(まつうらうみのふるさとかん) 松浦市志佐町
松浦市に完成した道の駅。地元で取れた新鮮な魚介類や水産加工品、野菜・果物等を広い店内に豊富に品揃えしています。
http://umihuru.com/

シリーズ企画「交流で農山漁村を元気に!」

第2回 人が地域を元気にする

去る6月19日に熊本市で九州農政局主催の座談会に参加した。地域間の交流や定住促進のスロー・ツーリズムがテーマであったが、ふるさとで頑張っている出席者の顔ぶれと哲学に感心。沢畑亨氏は東大大学院林学修士卒、百貨店勤務を経て、東南アジアの文化を研究、久木野ふるさとセンター愛林館の館長の全国公募で現職、熊本県や水俣市の環境、農林業、教育の指導、コーディネーターを兼ねながら里山、棚田の維持に都市圏の交流メンバーと活動を展開。鎮守喜代美氏は農村女性独・仏の農家研修後、農泊体験きいれ牧場ミルク工房を開設、酪農教育ファーム認証を受け、子供たちと実践・交流による生命や酪農の大切さや感動、楽しさを教育。林 浩昭氏は東大大学院生命科学研究科助教授を退職して東京暮らしから第2の人生をふるさとの農業に転進、大分宇佐・国東の広域連携観光推進協議会による森羅万象の国事業に参画、人の交流で農村を開くのが夢。本田 節氏は熊本人吉市市議会議員を経て、農山村の高齢化、福祉、女性自立、食育を実践に、火のくに未来づくりネットワーク、郷土料理伝承塾に携わりながら高齢者と郷土料理ひまわり亭を経営、コミュニティビジネスを実践中。

プロフィールの紹介になったが共通しているのは、人生の生業を農山村、ふるさとに置き、人との交流、協働による実践をとおして地域の再生、資源の維持に、そして啓発に努力と楽しさを発揮していること。このような第一線の人たちが地域にもどり、着実に活躍していることは、かっての過疎化・人口流出による農山漁村崩壊とちがって、10年、20年後の人口超高齢化による崩壊が懸念されるなかで、国土、資源、一次産業を維持する方策を示唆しているとともに、いかに人や交流が地域を元気にするかを教えてくれている。
(詳しくは九州農政局「18年度九州食料・農業・農村情勢報告書」で近く公開予定)

片岡 力(長崎国際大学)

事例紹介「ザ!酒塾」

酒器づくり農業、焼き物、酒造に携わる3人の連携がつくりだした、波佐見町「来なっせ体験塾」の体験メニュー「ザ!酒塾」をご紹介します。

ラベル作成体験は1年を通じて行われ、6月に酒米「山田錦」の田植えと酒器づくり、10月に稲刈りと素焼きされた酒器の絵付け、2月にマイボトルのラベルづくりと収穫した米から仕込んだお酒を焼き上がった酒器でいただくという内容です。参加料は、3回の体験料に加え、体験時の昼食代、完成したお酒、4合びん6本の代金を含んで、1口24,000円(1口で4人まで参加可能)。体験参加者の半分は福岡や熊本からの参加で、年間を通してのメニューにもかかわらず、皆、体験を楽しみにやって来るそうです。

さて、この体験メニューがはじまったきっかけは、町の活性化のため、どこにでもある田植え・稲刈り体験を波佐見ならではの体験にできないかと皆で話し合ったことからです。そして、町にあった米を原料とする酒造の技術と400年の歴史ある焼き物の技術を活用した「ザ!酒塾」が考案されました。

酒蔵村木郷出身で農協職員高村誠治さんの呼びかけに、酒米生産の指導を通じて知り合いだった地酒の老舗「今里酒造」の山下和之さんと、幼なじみで村木郷の藍彩窯の谷村学さんが呼応し、業種を超えた地域の連携が生まれました。

面倒な事務処理や宣伝などの不得手な部分は町の観光協会が担ってくれることになり、体験はスムーズに立ち上がりました。福岡、熊本のテレビ局が取りあげてくれたこともあり、参加者は男性グループに加え、家族、夫婦、女性グループなど多彩となっています。

体験メニューに加えて実施される、野菜、陶器、お茶などの地元産品の抽選会や、完成した酒器の品評会など、参加された皆さんを飽きさせない工夫も魅力の一つです。

酒米酒米は、国史跡で波佐見町最古の窯跡「畑の原窯跡」の近く、村木郷の水田で地元の方が大切に育てており、田植えや稲刈りの時は、敬老会や婦人会の方々が手助けしてくれるとのことでした。実は、体験を実施する上で最も気をつかうことは、大切な酒米をいのししに荒らされないことだそうです。

体験リーダーの一人藍彩窯の谷村さんは、将来は、体験メニューの酒器づくりを復元された「畑の原の登り窯」で焼けるようにしたいと夢をもって運営されています。今年10月の稲刈り体験の日には、昨年からはじまった村木郷の「畑の原まつり」も同日に開催されるとのことで、体験参加者も含めて地元は賑わうことと思います。

お知らせ

「しまの魅力発信映像祭」ビデオ・フォトコンテスト及び
「ながさきの半島」魅力発見フォトコンテストの作品募集

長崎県及び半島地域魅力発見委員会では、ながさきの離島・半島地域の美しい自然や歴史など地域が誇る資源を題材にしたビデオ・フォトコンテストを実施しています。

テーマは、『見てふれてみたくなる「ながさきのしま」・「ながさきの半島」の新しい魅力』で、入選された作品は、主催者が情報発信のために作成するホームページやパンフレットなどに活用させていただきます。

応募期間は、7月1日(日)〜8月31日(金)で、特賞に選出されると5万円の賞金が出ます。

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